サイト内検索

旅の本 がむしゃら1500キロ(全) 浮谷東次郎

 あなたは、浮谷東次郎という名前を知っているだろうか。「もちろん」と答える人は、バイカー、または自動車レースファンなのではないだろうか。
 「がむしゃら1500キロ」は、1957年7月31日から8月7日に、当時15歳の浮谷東次郎が、愛車の原付バイクで行った千葉県市原の自宅から大阪までの往復1500キロの旅をまとめた旅行記である。今年の7月は、その旅行から50周年にあたる記念の年である。浮谷東次郎は、東海道(国道1号線)を通ったので、50年前は、国道1号線にも、ジャリ道があったこと、箱根の山越えが、当時の技術的に未熟な自動車やオートバイにとって一つの性能指標だったこと、安全のためヘルメットをかぶることが一般的に誤解されスカしていると反感をもたれていたことなどを現代の読者に教えてくれる。私は、オートバイに乗っていた16歳のときにこの本を読んだが、今回、もう一度読んでみても、やはり楽しめた。この本を読んだことがある人にも、がむしゃら50周年のこの夏を機会に、再読をおすすめしたい。本を読むだけでなく、がむしゃら50周年ツーリングに出かけるというのもいいアイディアだ。
 もちろん、浮谷東次郎のことを知らない人、オートバイにも自動車レースにも興味のない人でも、人生に実直に向き合い、自分の発言を大言壮語に終わらせず、自分が何者かを必死に証明しようと格闘する東次郎の姿は、読者の性別、年齢を問わず深い感銘を与えるもので、誰にとってでもおすすめの一冊である。「マイペース」という言葉で自らの怠惰をごまかすことなど、誰もが陥りやすい状況の対極として、向上心の固まりのような東次郎の言葉は大きな輝きを放つ。
 「偉大になる」ことを誓った浮谷東次郎のその後の人生がどのようなものになったのか、ここでは、多くは語らないことにして、私の好きなエピソードを、二、三、紹介したい。  高校生の浮谷東次郎は、本田宗一郎に、この「がむしゃら1500キロ(私家版)」を同封した手紙を送る。「同い年のあなたの息子さんと友達になりたい」というその内容を読んだ本田宗一郎は、一瞬にして東次郎のことが好きになり、息子の本田博俊に東次郎と会うことを命ずる。それをきっかけに、東次郎は、宗一郎、博俊の本田親子と生涯にわたる友情を築いていく。
 また、レーサーになった東次郎は、濡れた路面の自動車レースを制し、表彰台に「はだし」であがる。その理由を問われた東次郎は、「皮製のレーシングシューズを水で濡らすと皮が硬くなりフィーリングが悪くなるから」と答えたという。黒縁めがねの東次郎が、笑顔のゴムぞうりすがたでハレの表彰台におさまるユーモラスな写真は、東次郎の見た目にこだわらない合理精神を伝えるとともに、当時の牧歌的なレーシングシーンを今に伝える貴重な一枚となっている。その他にも、車体が反射すると気が散るとの合理的な理由から、究極のつや消し塗料である黒板の塗料を塗ったレーシングカー通称「カラス」でレースに参戦するなど、さまざまなエピソードを残した。
 私家版あとがきで、「大体モーペットの制限速度は銀座のド真中でも、どんなに見通しの効くすばらしい道路でも時速二十五キロというのはまるっきり不合理で、どうしても納得できない。」と16歳の東次郎が憤る原動機付自転車(排気量50cc未満のオートバイ)の最高速度は、いまだに三十キロに過ぎない。

旅の本 バックナンバー

がむしゃら1500キロ 表紙

bookデータ
がむしゃら1500キロ(全)
浮谷東次郎 著
ちくま文庫
定価 560円+税
ISBN978-4-480-02457-2

Yahoo! カテゴリ掲載サイトです

旅行、観光 > 旅のノウハウ

名寄岩をさがして

探求探索行動(exploratory seeking)型夏休み旅行の提案

名寄岩とは何か?

名寄岩とは何であるのか、名寄に出かける理由

池波正太郎と名寄岩

池波正太郎にとっての戯曲「名寄岩」

名寄滞在便利手帳

ソフトクリーム、食事スポット、ネットカフェ。

名所観光独案内

名寄周辺の観光名所ガイド、ピヤシリシャンツェ、万里の長城

宿泊施設ホテル格付け

名寄市の宿泊施設ホテルを格付け

名寄で買う 生みやげ

なるべく、本日中にお召し上がりください。と書かれたおみやげ

名寄のプロフィール

日本の中の名寄の位置、名寄都市情報、バス路線図、時刻表