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カフェ「クー・ド・クール」の今

 キャンプ用のテーブルを川沿いに並べた日当たりのいいポカポカしたカフェのオープンシートに座ってこんなことを考えた。

 「空洞化が進む街の中心に救うべき価値はあるのか?」

 こんなことを考えているこのカフェ「グラフィティ」(高知県高知市)も街の中心にはない。高知市の街の中心が、はりまや橋であるとすれば、北東に1.2キロほど離れたところにある。もともと、藁倉庫だった建物をギャラリー兼カフェに改装したもので、私が座っているところは、昔、船で運んだ藁の積み下ろしをした場所だろうか。
 どこの地方都市でも同じだが、四国各県の県庁所在地の街の中心部は、空洞化が進み、アーケード街はシャッター商店街化しつつある。アーケードの2階、3階には空きが目立ち、最悪1階も空き店舗ということもある。愛媛県松山市では、街の中心部、大街道にあるラフォーレが今年に入って閉店した。理由は建物の耐震強度不足となっているが、跡地の利用法はまだ決まっていない。ここ高知市でも街の中心部の空洞化が大きな問題になっている。
 四国内でも、この問題に様々な対応が行われている。全国的に有名で大掛かりな取り組みとして、高松丸亀町商店街の壱番街プロジェクトがある。街の中心部の再開発で、低層階に商業スペース、高層階に居住スペースを配した建物の建設を核に「所有権と使用権の分離」を行う試みである。
 数年前、こんな新聞記事を読んだ。高知商工会議所が、空き店舗を改装し出店したい人に半年から1年ほど貸し出す試みを始め、その制度を利用して「クー・ド・クール」という小さなカフェが高知市の中心帯屋町にオープンした。というものだ。若い女性オーナーは、2年半、ケーキ作りをフランス・プロバンス地方のレストランで働きながら学んだというエピソードが印象に残った(朝日新聞 高知県版2004年2月1日)。若い人に無料もしくは格安の家賃で店舗を貸し出すのは、空洞化とともに商店主と買い物客の高齢化に悩む日本全国の多くの商店街で盛んに試みられていた制度である。
 この「クー・ド・クール」の現在(いま)を見て、最近は聞かなくなったこの制度の成否を見てみたいと思った。

 事前に下調べを一切せずに、高知に出掛けてみると「クー・ド・クール」というカフェはもう無くなっていた。予想はしていたが、ちょっとさびしい気がした。今、街の中心にあるカフェは、シアトルから来た店に代表されるチェーン店か、昔からやっている人のお店といったパターンが多い。特に、個人経営の新規オープンの小さなサイズのカフェは、客単価の低さと回転効率の悪さから成功の可能性が低いように思える。
 少し調べてみると、カフェ「クー・ド・クール」は無くなったが、言葉が分からないままプロバンスのレストランで働いていたというバイタリティ溢れるこの女性オーナーは、軽自動車を改造し「おかしのクルマ(スイーツバス)」を作って、現在、高知市の空き地でお菓子を売っているということが分かった。驚いた。うれしい驚きだ。ありふれた街の中心の小さなカフェより、お菓子を満載した神出鬼没の「おかしのクルマ」の方がよっぽど個性的でイイ。小さなカフェから「おかしのクルマ」に4年の間に「クー・ド・クール」は想像を超える進化をしていた。「スィーツバス」なんて、まるでおとぎ話のようだ。
 高知の中心部で行われる日曜市を抜け出し、グラフィティで昼ごはんを食べながら色々な考えが頭に浮かんでは消えた。高知名物の日曜市も来場者の減少に苦しんでいる。そんな日曜市で、3月22日(土)から毎週土曜日に高知港桟橋で開催する「港の土曜市 高知オーガニックマーケット」のチラシをもらった。この土曜市には無料駐車場も用意するという。以前、日曜市の来場者アンケートを見たことがあるが、「無料駐車場」の必要性は多くの人が回答している。高知の中心部のコインパーキングでは、日曜市のある日曜日、逆に料金がアップしている。
 最近、高知の街の中心部では、閉店の案内に移転先として卸団地の住所を見ることがある。卸団地なら駐車場の問題がない。前日に、高知の街の中心にある公立図書館に出かけたら駐車場が無かった。街の中心だから駐車場がなくてもしょうがない、街の中心だから土地代も高いのだからと高知の人が思っているのだったら、東京に行ったときに、国会議事堂の隣にある国立国会図書館か、有栖川公園に隣接する東京都中央図書館に出掛けてみるのをすすめたい。両方とも駐車場は無料だ。
 首都移転論者には、地方に住む人が多い。図書館に駐車場も無いのだったら、首都移転を言う前に、県庁や市庁舎の移転をなぜ論じないのだろうか?高知県庁を移転させれば、街の真中に無料駐車場が出来て、人が街の中心に戻ってくるのではないだろうか。適切な位置に出張所を設置するとともに、情報ネットワークを高度に活用すれば県庁や、市庁舎がどこにあっても県民・市民生活に問題は生じないハズだ。
 デザートを待つ間にこんなことを考えていた。
 街の中心を救えと書く新聞社も通常は街の中心にある。取材先もほぼ街の中心にあるのだろうが、図書館に駐車場も無い街の中心を救う必要なんて本当にあるのだろうか?もしくは、無料駐車場を作ってまで街の中心を救う必要があるのだろうか。長期低迷を続ける街の中心を救えとばかりに、美しい歩道を作ったり、電柱を地中化したり、観光案内板を作ったり、これ以上お金を掛けてもしょうがないのではないだろうか。無料駐車場こそ、そのしょうがないものの最たるものにも思えてくる。一番良かった頃を基準にダメになったとばかり税金を投入する価値が本当に街の中心にあるのだろうか?街の中心の土地所有者などの利害関係者が自らの責任と費用であたるべき問題なのではないだろうか。

 私も街の中心は救うべきであると考えていた一人ではある。「メフィストフェレス」という高知の街なかのカフェで、たまたま目にしたリーフレット。「街なかに映画館をつくりたい!」という、こうちコミュニティシネマ発行の「シネマルシェ」に掲載される大西みちる氏のエッセイなどには心を動かされる。ただ、私の目からは、街中にミニシアターを一つ作るより、自宅には大型ワイドTVとDVDという時代に、何ヶ月も前から告知して、パブリックスペースで一ヶ月ごとに一つの映画を数回だけ上映する現在のスタイルの方がより地域のコミュニティの姿として理想的に思える。
 その上、高知市にある巨大なショッピングセンターで楽しそうに過ごす多くの人々を目にすれば、考えも揺らぐ。すでにコミュニティの場は移動してしまったのではないだろうか。そして、なにより「クー・ド・クール」のオリジナリティあふれる独立自尊の進化を目にして、「クー・ド・クール」が飛び出していった街の中心に救うべき価値があるのか分からなくなった。
 ここ、グラフィティでは、週末の土曜、日曜は「クー・ド・クール」のケーキを食べることが出来る。藁工倉庫の前で、運ばれて来た「クー・ド・クール」のケーキを食べながら、自分がオズの魔法使いに出てくる藁で出来た脳みその無いかかしに思えてきた。

グラフィティ

http://www.graffiti-museum.com/

高松丸亀町商店街

http://kame3.jp/

クードクール coup de coeur スィーツバス

http://www.geocities.co.jp/sweetsbus2213/page002.html

メフィストフェレス 現代企業社

http://www.gendaikigyosha.co.jp/

こうちコミュニティシネマ通信[シネマルシェ] on Web

http://www.cinemarche.jp/

グラフィティ

グラフィティ 高知県高知市

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