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旅の本 大阪ハムレット

 『大阪ハムレット』は、コミック雑誌「漫画アクション」に不定期で連載されている大阪を舞台にしたマンガ。作者は、ごまふアザラシのゴマちゃんが活躍する?「少年アシベ」の森下裕美。ヤングジャンプに連載された「少年アシベ」は、ほのぼのとした家族ドラマだったが、この大阪ハムレットはちょっと異質のほのぼの感を持った家族ドラマ。
 少年アシベが、自己模倣を繰り返しながら良い意味での安定感があったのに対して、一話完結の読み切りスタイルで、一部のキャラクターを除き、設定が重複しないこちらの方がストーリーに緊張感がある。
 作者は、少年アシベにおいて、時に、アシベがポカーンとして動かず喋らずというコマを描くことがあった。作者のセンスが端的に表れたこの一コマが一話のストーリーに広がったのが本作品といえるかもしれない。平成版の「じゃりんこチエ」とも言えるこの作品は、大阪という街の記号性がなければ成り立たない。大阪を描いた作品の場合、古くは織田作之助の「夫婦善哉」、「王将」の坂田三吉、赤井英和の「どついたるねん」、ドキュメンタリー映画「アンチェイン」(豊田利晃監督)にいたるまで主人公が一番の大阪人的キャラクターの持ち主、大阪的、浪花節的な人物というのが一つの型であった。ところがこのマンガでは、主人公は、登場人物中一番の大阪的な人物ではない。それどころか、大阪生まれでありながら典型的な東京人といったキャラクター設定の主人公も登場する。そんな主人公を取り巻く人々が典型的な大阪人で、主人公は時に困惑し、時に励まされる。この作品を読みながら「人は大阪人として生まれてくるのではない。大阪人になるのだ。」という言葉が頭に浮かんできた。

『大阪ハムレット』は、第11回手塚治虫文化賞短編賞(2007(平成19)年)、平成18(2006)年度(第10回)文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。

 文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞の贈賞理由は、
一度読んだら忘れられないと感じるほど個性的な作品である。このストーリーには、これ以外の描き方はないだろうと思わせる不思議なバランスのよさが感じられる。個々の登場者の融合が奇妙でもあり滑稽でもあり、ショートストーリーマンガの新しい描き方である。万人向けとは言いがたい画風かもしれないが、このストーリーにしてこのキャラクターありと納得させるし、説得力もある。等身大でも立派にマンガとして成立することを立証した作品であり、その意義は大きい。

 マンガ、マンガ家の社会的地位の向上について、異論はないが、マンガを文化や芸術としてとらえることには違和感がある。贈賞理由を読むと選考者のあまりに弱々しいマンガを読む力に驚かされ、この違和感は増幅された。
 自分の理解力のなさに事欠いて「個々の登場者の融合が奇妙でもあり滑稽でもあり」とは典型的な大阪人について述べているのだろうが、バカにするのもいい加減にしろと言いたい。

大阪ハムレット 目次

大阪ハムレット 1

  • 第1話 大阪ハムレット
  • 第2話 乙女の祈り
  • 第3話 名前
  • 第4話 恋愛[前編]
  • 第5話 恋愛[後編]
  • 第6話 おんなの島

大阪ハムレット 2

  • 第1話 十三の心
  • 第2話 大阪踊り[前編]
  • 第3話 大阪踊り[後編]
  • 第4話 オードリーの家
  • 第5話 カトレアモーニング
  • 第6話 この世界の女王

大阪ハムレット 3

  • 第1話 女忍者の夏
  • 第2話 テレパシー[前編]
  • 第3話 テレパシー[後編]
  • 第4話 あいの探偵[前編]
  • 第5話 あいの探偵[後編]

旅の本 バックナンバー

表紙 No image

bookデータ
大阪ハムレット 1
森下裕美 作
双葉社
定価 667円+税
ISBN 4-575-94010-0

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